第1回 お口の乾燥

第1回 お口の乾燥

日ごとに木々が色づいてまいりましたね。
朝晩冷え込んできましたが、いかがお過ごしでしょうか?
「お口の美と健康」がテーマのこのブログ。初回はお口の乾燥についてお話ししようと思います。

Q:なぜ、乾燥するの?
A:主な原因は3つあります

ひとつは、気候に関わることです。
夏は、エアコンをいつもつけていたのではないでしょうか。お口の乾燥、ありませんでしたか?
でも、夏の間は自然と喉が渇くので、意識して水分をしっかりとっていたと思います。
ところが秋になると、熱中症対策などが気にならなくなります。このため、思いのほか水分の摂取量が減っている場合があるのです。
もうひとつの原因、それは年齢です。お肌にしわができるように、お口も乾燥するのですよ。加齢により体内の水分量が減るためです。
お口の乾燥の主な原因は上記の2つですが、診療室では、更年期障害やシェーグレン症候群の方からの相談を受けることもありますね。

そして、ストレスや疲れも、唾液減少の理由のひとつです。

Q:お口が乾燥すると、どうなるの?
A:唾液の減少により細菌数が増えます

唾液には口の中を清潔で健康に保つ5つの作用があります。
1.    浄化作用・・・汚れを洗い流す
2.    殺菌作用・・・細菌の繁殖を抑える
3.    消化作用・・・食べ物の消化を助け、味を感じやすくする
4.    再石灰化作用・・・歯のミネラル分を整えて表面を強くする
5.    緩衝作用・・・食事後に酸性に傾いたお口の中を中和して虫歯を防ぐ
つまり、お口が乾燥することで、虫歯や歯周病になりやすくなり、口臭もするようになるのです。お気を付けください。

Q:どうすればいいの?
A:水分摂取と唾液腺のマッサージ、そして、よく噛むことを心がけてください

水分については、以前は「コーヒー、紅茶などのカフェイン飲料は利尿作用があるのでお水を」と推奨されていました。
けれども、私が読んだ論文では、カフェイン飲料でも乾燥予防の効果に違いはありませんでした。スープでもなんでもお好きなもので水分を取ってください。
1日あたりの水分摂取量の目安を体重別に示したグラフがありますので、参考になさってみてください。

 

唾液腺のマッサージは、ティータイムのリラックスしている時にやってみてはいかがでしょうか。
私の場合はいつも決まったときにやっているのではなく、患者様に説明する時にご一緒にマッサージをしています。すぐに終わりますし、効果もすぐにわかります。舌下腺からの唾液は特によく出て、お口が潤います。

やり方を図解しますね。

よく噛むことも、重要です。
お口の渇きや粘つきを感じるとき食事の時にいつもよりも多く噛むようにしてください。

★まとめ★

唾液が出てくると、お口の中が潤います。そうすると、汚れがつきにくくなりますし、口臭予防にもなります。さらに風邪なども引きにくくなります。
水分摂取も唾液腺のマッサージ、そしてよく噛むことも、手軽にできるお口の乾燥予防です。試してみてくださいね。

 

たまプラーザ駅から車で5分、駐車場4台有り、美しが丘西郵便局隣、

MOM Dental Clinic 院長 

日本矯正学会認定医 服部優子